僕の見方・考え方25

2016年10月10日

本日も、実際に僕がお店を運営する中で得た学びを、あくまで僕独自の視点でお話ししたいと思います。

今回も前回に引き続き 僕の お店作り・商品作りの考え方 についてです。

 

『 切り取って深堀する 』

百貨店が営業不振に陥っています。

何故でしょうか?

日本の社会が成熟化し、より専門性を求めているからではないでしょうか。

百貨店の何でもあるのは、欲しいものがないのと一緒。

消費者は、より細分化された専門店で、たくさんのラインナップから選びたいと思います。

僕が身をおいている飲食店にも同じことが言えます。

総合的な居酒屋は今や不採算店の代表です。

売り上げが伸びている飲食店は、例えば総合的な居酒屋の焼き鳥の部分だけを切り取ってメニューを広げた焼き鳥店。

串揚げの部分だけを切り取って広げた串カツ屋。

魚でもマグロだけ切り取る

サバだけ切り取る

成熟した先には、専門性、その分野での深堀りが事業の成功の秘訣だと思います。

うちのお店は、これもあるし、あれもあるではなく、これしかないけどこだわっています。

今後は、そういったお店が益々お客様を集め、総合的なお店は、立地が抜群に良かったり、コスパが抜群に良かったりするお店以外は、集客に苦労する事は、間違いがないと思います。


 

僕の友達でジャンルで言ったら天ぷらをメインとした日本料理、知る人ぞ知る名古屋の名店をやっている男がいます。

彼は高校生から日本料理の道に入り、長い間、伝統的な日本料理の技術を学び、極めている男ですが、懐石料理店、和食店で独立するのではなく、あえて天ぷらを核にしたお店を開業しました。

僕が想像するに、職人であるならば、この季節はこの料理が出したい。

あの料理が出したい。

寝る間も惜しんで勉強し、厳しい修行に耐えて習得した技術、知識を駆使した日本料理を出したいと思うのは当然だと思います。

しかし、彼はあえてそこを一度封印し、日本料理の天ぷらという技術を切り取り、深堀りしました。

彼の店ほど、天ぷらという料理法を極めて、とんがらせた 変態的なお店は他にないと思います。

だからこそ、お客様にも支持されているのではないでしょうか。

今日は、日本料理を食べに行こう。懐石料理を食べに行こう。

というよりも、

今日は天ぷら、今日は鮨。

どうです。

この方がわかりやすいワードで、行きたくなるのではないでしょうか。

日本料理の職人で、厳しい修行をしたのだから、どうしても技術を出したい、いろんなものを食べてもらいたいという希望があるならば、入り口を天ぷら店、鮨屋という切り取り方をして、そこに日本料理の手法を入れた方がお客様にはわかりやすく伝わるのではないかと僕は思います。

天ぷらをメインに据えて、日本料理のコースを入れていく

鮨をメインに据えて、日本料理のコースを入れていく

お客様へのわかりやすさとして、そういった考え方もあると思います。

 

成熟した社会では、切り取って深堀し、コンセプトを明確にする。

この視点が大切だと思います。

あなたは、この分野ならNO.1になれるもの 何がありますか?

細分化すれば、必ずNO.1になれるものが、誰にでもあると思います。