僕の見方・考え方5

2016年03月3日

今日も、実際に僕がお店を運営する中で得た学びを、あくまで僕独自の視点でお話ししたいと思います。

『 ラーメン寺子屋 』

前述のように、弊社はラーメン屋でありながら、寺子屋みたいなこともやっています。

大真面目にです。

「 ラーメン職人である前に、一人の人間である 」という理念のもと、まず人間として魅力ある人間に育てる事、自分の魅力に気づかせてあげる事が大切だと思っています。

そして、スタッフ一人一人に人間力の向上を目指しながら、ラーメン職人としてもスキルを向上させ、自分にもできる、自分でもラーメン屋をやれるんだと自信を持った人間になってもらう。

それが僕の使命であり弊社の使命でもあります。

松下電器(現パナソニック)創業者の 故 松下幸之助翁は、

「お得意先に行って、『君のところは何をつくっているのか』と尋ねられたら、『松下電器は人をつくっています。電気製品もつくっていますが、その前にまず人をつくっているのです』と答えなさい」と言いました。

僕は、大学時代に本を読んでこの言葉に出会いました。

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その当時は、まったくピンときませんでしたが、経営者になってすごくこの言葉が腑に落ちました。

到底、松下幸之助翁のように、大きなことはできませんが、前述の 「 一燈照隅・萬燈遍照 」 の思想のもと、まずスタッフ一人ずつを光らせていこう。

その為には、まずラーメン職人を作る前に、人間成長の場として機能する会社を作っていこう。

そう覚悟をしました。

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澤さんのところには、いろんな意味で多様な人材がいますね。

と、言われることがあります。

確かに、弊社には普通の会社なら採用しないであろう人間、採用のふるいから落ちてしまうであろう人間がいます。

現在、社会になかなかフィットしてこなかった少年を何人か採用しています。

僕は、面接のときに決まって話をすることがあります。

※その少年たちにも当然話をしました。

「 普通の会社ならあなたたちは採用されないかもしれない。でも、僕は採用します。なぜなら、うちはラーメン屋だけど、寺子屋みたいなこともやっているから。なぜやっているかというと、僕は、ラーメンと出会い、ラーメンに育てられて、ここまでのステージに上げてもらったと思っています。だから、僕は、ラーメンを使って、商売とは違う視点で、少しでもいいから人の役に立って、社会に恩返しをすると決めたんです。ラーメンが縁で出会った人達をラーメンを通じて共に成長していくお手伝いをしたいと考えています。僕は、あなたたちを何の色眼鏡もかけずに受け入れるし、あなたたちが逃げない限り、僕から関係を断ち切ることはないです。これまでの人生の中で大人が信頼できないかもしれないけど、僕だけは信じて、一緒に学んでいこう 」

彼らが、これまで社会にフィットしてこなかった理由は様々ですが、根源的に言えるのは、圧倒的にそれまで育ってきた人生の中で、愛を与えてもらっていないという事です。

本来は、人間は全員、素直だと僕は思っています。

でも、関わる人達や環境でグレることでしか、生きていけなくなるのです。

グレルことで自分を守っているのです。

だから、僕は人を信じて、人に愛を与えようと思っています。

当然、そういった子供たちなので、一筋縄ではいきません。

周りと、うまくコミュニケーションをとれないことによるもめ事、朝起きることができない等で遅刻したりというのも正直あります。

突然、いなくなるという事もあります。

でも、想定内です。

ぼくは、嫌だったらいつ出てってもいいし、いつ帰ってきてもいいと言っています。

入退室自由です(笑)

弊社には、4回出戻りしてきた強者もいます。

3回出戻りしてきた子もいます。

でも、やんちゃをしてきた子は、スイッチが入るとすごいパワーを発揮します。

自分の中の様々な葛藤を消化し、自己を統合して、自分で100%納得して、働くようになるのでそのパワーはすごいものになるのです。

僕は、可能性のない人間は誰一人いないと思っています。

周りでかかわる人間が覚悟を決め、愛をベースにいいところを見てあげれば、時間がかかるかもしれませんが、必ず変わると思っています。

今後も、社会からあぶれてしまった人間を覚悟を持って採用し続けて、ラーメンを売るだけではなく、人間成長の場としてのラーメン屋として、覚悟を持ってやっていきます。