本日は、3か国出店してみた、僕なりの海外の成功のポイントをいくつか挙げたいと思います。
1.日本の本物の文化を伝える気概を持って、海外にでる。
海外の人たちは、日本で流行っている日本人が食べている本物を体験したいと思っています。
逆を考えるとわかりやすいと思います。
例えば、日本で流行っている飲食業態を上げると、
パンケーキ エッグシングス 一般の人は、ハワイの本物のパンケーキと認識しています。
ICE モンスターもそう。 台湾本場のかき氷。
最近、話題となっている ニューヨーク発ハンバーガーのシェイシャックも大行列を作っています。
これは海外には実際なかなか行けないので、日本で食べることができるのなら、是非食べてみたいという感覚です。
僕は、この感覚は、万国共通で、海外の人も一緒だと思っています。
海外に出るなら、現地に合わせるのではなく、日本でやっている本物を伝える事がポイントです。
2.PRをしっかりし、現地の人に伝える努力をする。
アップルのスティーブジョブスは、
「 どれほどすぐれた製品を作っても、ユーザーに届かなければ何も意味はない 」と言いました。
店側が売っている商品をしっかりお客様に伝える必要があります。
しかし、発信する側の人たちは、お客様は知っていると 勝手に解釈していることが多いです。
いい商品は、わかってくれる という思考がまさにそれです。
人種が違えば大きく文化が違うし、大きく環境が違います。
積極的に伝える努力をしなければ、いくら本物を持って行っても、お客様が理解しお店に通ってくれるようになるには時間がかかります。
そこで、弊社では、それぞれの国で現地のPR会社と契約をして、伝えるという事を積極的に行いました。
多少、お金がかかっても、その国のPRのプロに、その国にあったPRの仕方で本物のストーリーを伝えてもらう。
これは、海外で繁盛するためには、必須だと思います。
3.ローカライズするのは細心の注意を払って
本物の文化を伝える気概を持って、海外進出をするという事が大事ですが、海外の環境、嗜好にあわせて、ローカラーズする部分も当然必要になってきます。
しかし、事業のキモの部分は触らないという条件付きではありますが。
フジヤマ55の場合で説明しますと、
まず味に関して言うなら、「 日本の本物のつけ麺・ラーメンを世界へ 」というポリシーがありますので、日本の製法で手作りにこだわり、一から現地の食材を使って日本の味を再現するように仕込みをしています。
しかし、塩分の濃さ、いわゆる塩辛いと感じる基準に関しては、その国々で顕著に違いますので、その国に合わせて塩辛さの調整をしなければなりません。
タイ、台湾、香港は、日本の味付けでそのまま提供すると、現地の人たちは、塩辛いと感じてしまいます。
フジヤマ55もこれらの国では、塩分の濃度を落として提供しています。
反対に、ヨーロッパ、北米は、日本と同じか、それより塩分濃度を少し上げなければなりません。
以前行った、フランスのラーメン屋ではフランス人に合わせて塩分濃度を高くしているので、駐在の日本人のお客様用に味がついていない割スープを用意していたほどです。
麺の硬さも様々です。
日本では麺のコシという概念も、硬すぎと捉えられたり、まだ、仕上がっていない半生の麺だと認識されるので注意しなければなりません。
店舗の内外装もローカライズしなければならない部分です。
日本のラーメン店は、内外装にそれほど注力しなくても極端に居心地が悪いお店ではなかったら、味がよければ、お客様は来ていただけます。
しかし、海外ではそうではないです。
まず、日本人はおひとり様でも来店しますが、海外は、グループでの来店が基本。
しかも、ラーメンだけ食べるお客様は、ほとんどいらっしゃいません。
ゆっくり会話を楽しみ、餃子、唐揚げをつまみながら、らーめん、つけ麺でしめる。
そんな感じのお客様の方が多いです。
なので、お店の居心地が大切になります。
そして、日本ではラーメンといったら、比較的安価な食べ物ですが、特にアジアでは、少し高価なハレの日の食べ物になります。
日本人の感覚で言うなら、イタリアンやビストロに食べに行くのに近いかもしれません。
ですので、内外装は、居心地よくて、おしゃれでかっこいいお店にする必要があります。
フジヤマ55では、デザイナーを入れて、これぞ日本という内外装を実現しています。
もう一つは、接客サービスです。
日本でラーメン屋といったら、接客サービスを求めて来店されるお客様は少ないと思います。
しかし、海外、特にアジアの場合は、前述のようにそれなりの単価の食べ物ですので、当然、それに伴いサービスも充実させないといけません。
フジヤマ55では、日本のおもてなし文化を意識して、現地のスタッフを教育しています。
以上が、ぼくが現場で経験して習得した海外での成功のポイントだと思います。