僕の見方・考え方13

2016年05月5日

本日も、実際に僕がお店を運営する中で得た学びを、あくまで僕独自の視点でお話ししたいと思います。

前回に引き続き、僕が考えるお店作りという視点でお話ししたいと思います。

 

『 事業の本質を見極める 』

僕は、勉強のために折にふれて飲食に限らず様々な事業について実際見て、考える事をクセづけしています。

僕が大切にしているポイントは 

この事業の本質、事業の肝は、いったい何なのか? 

という事です。

以前、元グッドウィルグループ会長の折口さんの著書 「 プロ経営者の条件 」 を読んだ時に、こういう一文がありました。

「プロ経営者」の条件

「ある事業が成功するかどうかは、ボーリングに例えるなら、ストライクを取ることです。ストライクを取るためには、センターピン、つまり真ん中のピンを外してはなりません。センターピンに当たらない限り、ストライクは取れないのです。

センターピンを外さなければかなりの確率で事業は成功します。」

センターピンを捉えない限り、つまり事業の本質、肝を見極めない限り、いくら戦略を立てたり、戦術を駆使しても成功はしないという事です。

これを、僕が身を置いているラーメン業界について考えてみます。

昨今、日本におけるラーメン屋は、その数が増え、需要よりも供給過多、いわゆるオーバーストア状態に陥っています。

特に、都心部ではその傾向は顕著です。

それ故に、様々なラーメン屋が出てきては消え、出てきては消え、一説には毎年4000店のラーメン屋がオープンし、同数が閉店していきます。

しかも閉店するラーメン屋のほとんどがオープンしてから1年以内だと言われています。

閉店していくラーメン屋のほとんどは、このセンターピンを外しているかもしれません。

それでは、ラーメン屋のセンターピンとは、何でしょうか?

※以下は、正解か不正解かはわかりませんが、あくまで僕が考えるラーメン店のセンターピンです。

ラーメン屋は前回のブログで書いたように大手の寡占が緩い業界です。

個人の店主もしくは、2,3店舗を有する小企業がお店を運営してるケースが非常に多いですが、このセンターピンを捉えてないお店は、確実に消えていきます。

僕が考えるラーメン屋のセンターピンとは、わかりやすくクセになるおいしさのラーメンをお客様が利用しやすい場所で、お客様が価値を感じる価格で提供する。 

そして、そのわかりやすくクセになるラーメンには、職人的な要素やストーリーがのっかっている。

このことに尽きると思います。

ラーメンは日常食です。

まず、お客様が利用しやすい場所で、価値を感じる価格で提供する事が、大切です。

そして、ラーメンに対してこだわりのあるお客様が多いのも事実です。

だから、職人的な要素やお店や店主のストーリーも大切です。

この、センターピンを外しているお店は、長く続ける事は、難しいと僕は思います。

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そして、ラーメン屋のもう一つの側面として、ラーメンが大好きな人間が、その好きが高じてお店を開く場合が、圧倒的に多いという事があります。

これが、僕はクセものだと考えています。

ラーメン好きがラーメンを作るが故に、ラーメンの王道をいじりすぎて、こだわりを詰め込みすぎて、かえってお客様にわかりにくくなっているラーメン屋が多いと思います。

典型的なお店が、店主がこの味をわかってくれるお客さんにだけきてほしいと考えているお店です。

客単価が高いお鮨屋さんや和食店、フレンチ等の飲食店なら、一人当たりの客単価が高いので、こう言った言い方は、良くないかもしれませんが、飲食店側が食べ手を選ぶのはありだと思います。

しかし、ラーメン屋は、飲食業の中では客単価のそれほど高い業種ではありません。

それは、売上=客単価×客数  というシンプルな方程式で考えると、つまり沢山のお客様に来ていただかないと、経営が成り立たない業種だという事です。

ラーメン屋というのは、沢山のお客様に利用していただいてこそ、成り立つ業種なのです。

だからこそ、バランスよく職人感をのせた、わかりやすいクセになるラーメンを、利用しやすい場所で提供する。

このセンターピンを常に意識する事が大切です。

バランス良く職人感をのせるという事は、僕はいつも戒めとして、心に留めています。

どういう事かというと、ラーメン店に限らず職人がいる飲食店は、職人がゆえにどうしても、その商品に対して深掘りしすぎてしまうという事実があります。

勿論、深掘りする事自体は、とても大切な事は言うまでもありません。

しかし、深掘りした商品をそのまま、お客様に提供する事が問題だと思っています。

その商品の魅力は、お客様にダイレクトに伝わるでしょうか?

職人の自己満足の商品ではないですか?

職人感とわかりやすさのバランスをとる。

これが、とくに日常食のラーメン店にとっては、大切な事だと僕は思っています。

あなたの事業のセンターピンは何なのか?

一度考えてみる事を僕はオススメします。