本日も、実際に僕がお店を運営する中で得た学びを、あくまで僕独自の視点でお話ししたいと思います。
今回からは、僕が考えるお店作りという視点でお話ししたいと思います。
『 複数のお店を経営しても個店主義を貫く 』
ラーメン業界は、市場規模6000億円、全国で2万店が存在すると言われています。
同じ麺類を扱う業種のそば屋さん、うどん屋さんの業界とは違い、スープの種類、タレの種類、トッピング、香味油等、味の変数が多く組み合わせ次第で無限の種類のラーメンを創造できることから、大手の寡占化が進まず、個人が外食で起業をしやすい業界だと言われています。
統計では、ラーメン屋が100店舗あったら、そのうち80店舗以上は個人、あるいは小規模の企業のラーメン屋で大手のラーメンチェーンは20店舗以下しかないということになっています。
逆に大手の寡占が強い業界と言えば、真っ先に上がるのが、牛丼業界です。
吉野家、すき家、松屋 大手3強が業界の価値を決めるので、個人店は、よほど差別化できる商品じゃないと勝負ができません。
同様にハンバーガー業界や、最近ではコンビニも同様に大手の寡占化が圧倒的に進んでいる業界です。
前述のように、ラーメン業界は80%以上が個人店及びそれに準ずる小規模の企業なので、個人が十分活躍できる土壌が存在します。
ラーメンに関して考えてみると、あの店の豚骨醤油ラーメンが好き、あの店のゆずを効かせた塩ラーメンが好き等、会社の同僚や家族、友達などからおいしいラーメン情報を聞いたことがあると思います。
要は、様々な味のラーメンが存在する為、自分だけのお気に入りの味がある人が多いジャンルの食べ物で、こだわりやそのお店のストーリーにお客さんは敏感になります。
だから、金太郎飴を切ったような味や店作りの得意な大手は参入しにくいので、どうしても大手の寡占化が進みません。
そういった特殊な環境のラーメン業界において、僕が大切にしているポイントがあります。
それは、一言で言うと、個店主義を貫くお店を作るということです。
個店主義を貫くお店作りとはどういう事かというと、繰り返しますが、ラーメン業界はその80%以上が個人店です。
ラーメン屋に関してお客様は、大企業よりも個人店を支持する傾向があるという事実。
企業化され、パッケージ化されたラーメンメニュー、システム化された店舗より、大将やおかみさんのぬくもりのある接客、店主のこだわりや手作り感のあるメニューを求めているということです。
前述のように読者のみなさんにも通いのラーメン屋が1つか2つあるのではないでしょうか。
フジヤマ55GROUPは、国内外に複数の店舗を構えていますが、そのお店ひとつひとつを店主の見える店作りを意識しながら作ってきました。
その理由は、それぞれの店が店主、店長の顔が見えて、店主・店長の色が出たお店にしていきたいとの思いからです。
もちろん、グループとしてのある程度、守らなければならないレシピ、ルールは作ります。
しかし、その他は僕が教えるのではなく、その店の店主・店長が自ら作っていくことにより、個々のお店が輝き、お客様にとって魅力あるお店になっていくと思っています。
きっちりとシステム化されたお店より、こだわり感はあるけど、ちょっと温かみもある、個人店のような雰囲気。
それが、僕が考える個店主義です。
そういった味のある魅力的なお店をスタッフと共に今後も作っていきたいと思っています。