今日も、実際に僕がお店を運営する中で得た学びを僕独自の視点でお話ししたいと思います。
『 リーダーは父親 部下は子供 』
僕のスタッフに対する接し方は、親子関係がモデルです。
僕はラーメンというものに出会い、複数のラーメン店を持たせて頂くことになりました。
ラーメンを通じて数多くの仲間と出会い、ここまで成長させて頂きました。
まだお店が2、3店舗だった頃、今後、僕がスタッフとどう関わっていくのか、そしてスタッフと共に会社をお店をどうしていきたいかを真剣に考えました。
お店をただ出店していくというのではなく、今後の僕の役割、僕の使命は何なのか?
その結果一つの考えに行きつきました。
「 ラーメンに出会い、ラーメンに育てられたのだから、ラーメンを使って世の為に少しでも恩返しをする 」
大袈裟かもしれませんが、かっこつけるわけではなく、純粋にそう考えました。
そこで僕なりにその使命を自社に照らし合わせて考えて出した答えが、うちのラーメン屋の門を叩いてきたスタッフを単純に社長と社員という関係ではなく、深い愛をもって父親が子供に相対するように接して、人間成長の場にしていこう。
そう考えました。
この会社、このお店で働くスタッフを、まずは人間として育て、そして、ラーメン職人として、ラーメン屋を経営する経営者として育て、巣立たせよう独立させようと思いました。
ラーメン寺子屋みたいなイメージです。
スタッフが、これまで失敗続きの人生から一国一城の主になることにより、自分でもできる、自分の実力でお店ができるんだと思える人間を創っていく。
ひいてはそれが、小さいですが、社会貢献になっていくのではないかそう考えました。
なぜ、そういった考えに至ったのか。
それは、次のような体験をしたからです。
ラーメン屋は、まだまだ他の業界と比べると正直、世間的な地位が高い職業ではありません。
親が反対したから、やっぱ入社できません。
ラーメン屋なんて、学校を出た人間が働くところではない。
過去にはそういうことも一度ならず何度か言われました。
そういう業界ゆえに、人生に迷い紆余曲折を経てうちのラーメン屋に入ってくる人は、実際かなりの数います。
※飲食業をやられている皆様は、少なからず共感できる部分があると思います。
そういう状況ですので、弊社に入社してくる人達の中にも、自分に対して期待も信頼もなくし、ぼろぼろになっている人間もいます。
単純にラーメンが好きだから、ただ、それだけの理由で入社してきます。
だから、僕は社長といちスタッフという関係性でノウハウだけ教えても、美味しいラーメンを提供する事はできないし、お客様に支持されるお店はできない。
そう感じました。
一対一で真剣にスタッフと向き合い、腹をわってコミュニケーションをする。
自分の子供を見るかの如く深い愛でスタッフに接しなければならない。
自分の子供だったらどうするか? という事をスタッフに対する判断の基軸にする。
その覚悟が大事だと思いました。
そんなスタッフ達ですが、全員に共通していることは、ラーメンを食べることが大好きで、将来はラーメン屋を自分でやりたいという純粋な夢を持っていることです。
だからこそ、弊社に入社してくれたスタッフを一人でも多く、まず人間として魅力ある人間に育てる事、自分の魅力に気づかさせてあげる事、そして実力があるラーメン職人に育て、自分にもできる、自分でラーメン屋をやれるんだと思える人間に育てる。
それが僕の使命になりました。
最初は一人でも多くのラーメン職人を育てようと思っていましたが、ラーメン職人だけでなく一人の人間として一人前に育てる。
弊社のお店は、ラーメンを売るだけではなく、人間教育の場にするんだということに力を注ぐことになりました。
安岡正篤 さんが書かれた 青年の大成 という本があります。
その中にあった 「一燈照隅・萬燈遍照」 という言葉に僕はとても感銘を受けました。
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自分がいる場所を明るく照らせる人間になる。
人それぞれが一燈となって、一隅を照らすこと。
それが、集まって大きな光となり世界を照らしていけるという意味です。
本来なら、大きな光を放って周りを照らすのがいいのに、安岡正篤 さんは、なぜ一隅を照らすといったのでしょうか?
人間がみずから大きな光を放つことなど、なかなか出来るものではありません。
口では「世界のため、人類のため」などと言えます。
しかし、言うだけでは何も変わりません。
それよりも、まず自分が居るその場を照らす。
これは絶対に必要なことで、また出来ることです。
この一燈(一つの光)が萬燈(たくさんの光)になると「 萬燈遍照 」になる。
つまり、大きな光となって周りを照らす事が出来るのです。
こういう同志が10人、100人となれば、世のためになる人類の為にもなるそう考えました。
まず、ラーメンを通じて関わった人たちと切磋琢磨し人間として成長し、それぞれが人間としてラーメン職人として自立することにより、この一燈照隅・萬燈遍照に近づくのではないか。
このことこそが、僕の使命であり、僕が社会に恩返しできる事だと思っています。