僕のラーメン屋物語15

2016年02月2日

本日は、フジヤマ55香港 立ち上げ物語の後編です。

オープンの前前日に滑り込みセーフで内装工事が終わり、前日にスープの試作を終えました。

※海外は、予定通りの工期にはならないので、工事が遅れに遅れるのがお約束です。

これでなんとかオープンできると思いました。

しかし、翌日オープンをむかえて、大事件は起きました。
252377_10151194575083492_752624807_n

お昼のピーク時間を大忙しでなんとか営業し、14時をまわったその時、突然、

厨房内のスプリンクラーが大量の水を放水しながら回り始めたのです。

お客様には幸いにも水はかかりませんでしたが、天井からシャワーのように水が降り、提供する予定のラーメンスープ、麺、具材がすべて水浸しになりました。

厨房スタッフもずぶ濡れになり、大惨事でした。

原因は初日から忙しすぎて仕込みが間に合わず、店内のガスをフル稼働して仕込をしながら営業をしていたところ、厨房内の温度が上がりすぎてスプリンクラーが作動してしまったということでした。

ドキュメンタリーでよく見るドラマティックなアクシデントが、まさか自分が携わっている現場で起こってしまうとは!

スタッフみんながあたふたしたまま、初日はその大事件で強制閉店となりました。

当然、店長はじめ現場のスタッフが落ち込んでいたのですが、キキちゃんのママがスタッフに向かってこう言いました。

「 落ち込んでいてもしょうがない。風水の観点からみると水はお金と一緒。水が初日に降ってきたから、お金が降ってきたと同じ。この店は繁盛まちがいないわね。 」

すげー。

世界には、いろいろな考え方があるもんだと改めて思いました。

香港人、すばらしいポジティブシンキング!!素敵です。

その夜はスタッフの慰労を兼ねて、「 今日は、大変だったけど、みんながんばったよね 」という話しをしながら、ちょうどシーズンという事もあり、上海蟹をスタッフと一緒に食べまくる慰労会をしました。

ここでもまたちょっとした事件が起こりました。

日本から連れてきたラーメン職人の佐藤君が酒を飲みながら、いきなり声殺して泣きはじめたのです。 

ど、どうした、佐藤君。

という間もなく彼は席を立ち、すいませんが僕、帰りますと言って、自分の住むアパートに帰ってしまったのです。

そこにいたフジヤマ55のスタッフとキキファミリーは、なぜ佐藤君が泣き出して、いきなり帰ってしまったのか、何が起こったのか理解できない様子でした。

少し間を開けて佐藤君に電話して聞いてみたところ、あんな大事件が起こったのに皆がのんきに上海ガニを食べてて、酒も入った事もあり泣けてきてしまったということでした。

日本人真面目だな~。

ここでも世界との感覚の違いを体感しました。

間違いない。佐藤くん。

それが日本人の正常の感覚だ。

僕は、香港で香港の感覚に寄り添いすぎて、佐藤君に寄り添えなかったことを少し反省しました。

経営者が気を付けなければいけないのは、物事を俯瞰してみることが習慣になってしまい、スタッフの感情に寄り添うことが出来なくなってしまう事です。

まさに、そんなことを思った佐藤君の行動でした。

香港雑誌3

 

そんな、トラブルもありましたが、香港店も開業して、早いもので3年弱。

キキちゃんのお母さんが最初に言った通り、お金に恵まれ(笑) お店は繁盛しています。

昨年、2号店のトンローワン店もオープンし、1号店と共に香港のたくさんのお客様に受け入れられています。

最近は、香港チームが開発した、ウニつけ麺が大ヒットしています。

_qbqkB4Z_jQcgDbW_l-OpbSx1WrZKrf3gxaxOZYWAqQZ_-SNIA3ddORdTrOrAL7e4MAfsg=s2048

 

タイ、香港は言ってみれば、たまたま大須のご縁が繋がりましたが、タイ人パートナー ナイ夫妻や香港パートナー岩田、キキ夫妻といっしょにファミリー的な盤石のパートナーシップでフジヤマ55を運営できています。

IMG_2319

 

今回の学びは、

海外はトラブルがつきものだということです。

実際トラブルが起きたら、きたきた!!お約束♡と、どっしりと構える姿勢がリーダーには、必要です。

但し、スタッフには、同じ目線で寄り添い、気持ちを汲むことも大切にしていきましょう。

常に俯瞰せず、同じ目線で見てみる事は、とても大切です。